高市首相の為替発言
高市早苗首相は6月3日の参院本会議で、為替相場の変動について「必要に応じ、いつでも適切に対応していく」と述べました。これは自民党の長谷川岳氏が急激な為替変動を抑制する新たな枠組みを設けるよう提起したことに対する答弁です。
首相は「投機的な取引を含む、いわゆる実需に基づかない取引が為替相場に大きな影響を与えるようになってきている」との認識を示し、「為替相場の変動が国民生活や企業の事業活動に影響を及ぼすことから、為替政策は経済を支える上で重要だ」と語りました。また、「日米間をはじめ国際的な連携をいっそう深化させたい」と強調しています。
高市首相はこれまでも為替動向について「高い緊張感を持って注視している」との姿勢を示しており、2026年4月30日には政府・日銀が円買い為替介入に踏み切った経緯があります。
日銀植田総裁の利上げ姿勢
同日、日銀の植田和男総裁は東京都内で開かれた共同通信きさらぎ会で講演し、中東情勢が不透明な状況が続いても利上げに踏み切る可能性があると発言しました。植田総裁は、経済の下振れリスクに比べて物価の上振れリスクが高いと判断されれば「利上げの是非についてしっかりと議論する必要がある」と述べています。
日銀は2025年12月の金融政策決定会合で政策金利を0.5%から0.75%に引き上げて以降、2026年1月、3月、4月と3会合連続で利上げを見送ってきました。4月会合では中川順子、高田創、田村直樹の3人の審議委員が1.0%への利上げを提案したものの、賛成多数で否決されています。
中東情勢と金融政策の行方
植田総裁は、中東情勢の緊迫化による原油価格高騰が物価に与える影響を重視しています。2026年3月の会合後には、中東情勢の影響が一時的なものであれば「利上げは可能だ」と説明していました。しかし、ホルムズ海峡の事実上の封鎖が続き、原油だけでなくナフサなどの供給不安も広がっていることから、日銀内では状況の見極めに時間をかける必要性を指摘する声が多いとされています。
日銀は6月15〜16日に金融政策決定会合を開く予定であり、2025年12月以来となる利上げに動けば政策金利は0.75%から1.0%に引き上げられる可能性があります。市場では、5月22日に高市首相と植田総裁が異例会談を行ったことも、6月利上げへの地ならしとの見方が出ています。
結論
高市首相は為替市場の投機的な動きに対して「いつでも適切に対応する」姿勢を明確にし、日銀の植田総裁は中東情勢の不透明感が続く中でも、物価上振れリスクが高まれば利上げを検討する方針を示しました。6月15〜16日の日銀金融政策決定会合では、中東情勢の行方や物価動向を踏まえた上で、追加利上げの是非が議論される見通しです。
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