日銀田村委員、物価上振れリスクを指摘し利上げの必要性を強調

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2025年10月16日、日銀の田村直樹審議委員は那覇市で開催された金融経済懇談会において講演し、物価の上振れリスクが高まっているとの認識を示した。田村委員は「利上げを判断するべき局面にきている」と述べ、10月29〜30日に予定されている金融政策決定会合でも追加利上げを提案する可能性があることを示唆した。

田村委員は、9月の全国企業短期経済観測調査(短観)を引用し、「企業の前向きな姿勢が引き続き維持されている」と強調した。さらに、トランプ米政権の関税政策が海外経済の減速を招いているものの、日本経済は「無傷ではいられない」としつつも、海外の減速の程度は「当初考えていたほどではない可能性が十分にある」と指摘した。

物価については、日銀が2027年度までの見通し期間の後半に2%の物価安定目標を達成するとの見解を示しているが、田村委員は「物価目標の実現時期が前倒しとなる可能性も十分にある」と述べ、企業の前向きな経営姿勢や価格設定行動の積極性を理由に挙げた。特に、食料品価格の上昇が食品加工品や外食に波及する可能性や、人件費に敏感なサービス品目の価格上昇、企業や家計の予想物価上昇率の上昇傾向についても言及した。

田村委員は9月の会合で「物価の上振れリスクが膨らんでいる中、中立金利にもう少し近づけるべきだ」として0.75%への利上げを求めており、中立金利は景気を熱しも冷ましもしない金利水準であると説明した。彼は「最低でも1%程度」との見解を示している。

この日の講演でも、現在の政策金利0.5%が「日本経済全体への影響は極めて限定的だ」と主張し、「中立金利まではまだまだ距離がある」との考えを示した。利上げが遅れることで将来的にインフレ抑制のために急激な利上げを迫られる事態を避けるため、金融緩和の度合いを弱める利上げを進める必要性を改めて強調した。

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