2025年9月26日の外国為替市場では、ドル円相場が前日比で大幅なドル高・円安となり、午前9時時点で1ドル=149円87銭前後で取引されています。これは前日午後5時時点から1円05銭のドル高・円安で、約2カ月ぶりの円安水準です。ユーロ円もユーロ高・円安で推移し、1ユーロ=174円77銭前後を記録しました。
この円安ドル高の動きは、25日に発表されたアメリカの経済指標が市場予想を上回る堅調さを示したことに起因しています。
円安ドル高の主要因
- 米GDP確定値の大幅上方修正: 25日に発表されたアメリカの4月から6月期GDP(国内総生産)確定値は、年率換算でプラス3.8%と、改定値のプラス3.3%から大きく上方修正されました。これは個人消費の上振れが主な要因とされています。
- 雇用情勢の堅調さ: 最新の失業保険申請件数が市場予想を下回ったことで、アメリカの雇用情勢に急激な減速懸念が和らぎ、景気が引き続き堅調に推移しているとの見方が広がりました。
- FRBの利下げ観測後退: これらの好調な経済指標を受け、米連邦準備制度理事会(FRB)が早期に利下げに踏み切るという観測が後退しました。市場関係者からは「FRBが年内にあと2回利下げを行うと予想していた投資家が多かったが、経済指標の内容から来月の会合での利下げ実施が不透明になった」との声が聞かれています。
今後の市場見通し
現在のドル円相場は、短期的に新たな上昇トレンドに入った可能性が指摘されています。しかし、短期間での急激な上昇(9月23日の147円46銭から昨日の高値149円92銭まで240ポイント以上の上昇)はオーバーシュートの領域にあるため、浅い押し目が入る可能性も高いと見られています。
市場では、ドル円が一時149円93銭を付けましたが、150円台を一気に突破するほどの強い材料はまだないと見ています。また、本日発表される東京都区部消費者物価指数(CPI)が強い数字を示した場合、日本銀行の利上げ期待が高まり、ドル買い・円売りがいったん落ち着く可能性も示唆されています。

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