経済産業省は4日、次世代半導体の量産を目指すラピダスに対する政府出資の条件を発表しました。この条件には、重要な経営事項に対して拒否権を持つ「黄金株」の発行が求められています。これは、外資による買収などの経済安全保障上のリスクに備えるための措置です。
出資の背景と条件
改正情報処理促進法に基づき、政府はラピダスに対して1000億円の出資を予定しており、出資の際には安定した営業黒字化や民間からの資金調達の見込みが審査されます。また、重要技術の流出防止対策も要件として含まれています。ラピダスの社長である小池淳義氏は、国会で「黄金株のような形を政府と詰めている」と述べており、具体的な権限については今後詰めることが求められています。
黄金株の意義
黄金株は、政府が企業の経営に対して一定の影響力を持つことを可能にする特殊な株式であり、重要な決定に対して拒否権を行使できる権利を持ちます。これは、国が安全保障や国民生活に影響を与える事業に対して、より強い関与を持つことを目的としています。過去には、NTT法や郵政民営化法においても、政府が一定の株式を保有する義務が課せられています。
このように、政府はラピダスを通じて半導体産業の再興を進める方針を強化しており、国策としての色彩が一段と濃くなっています。

![]() |