個別株投資には、「グロース株投資」、「バリュー株投資」、「高配当株投資」、「優待株投資」、「IPO投資」などがあります。
グロース株投資
グロース(成長)株とは、将来大きく株価が上昇すると期待されている株式銘柄のことで、グロース株投資とは、企業の成長性や将来性に着目し業績の伸びが期待できる銘柄に投資する手法です。
一般的にテック企業や新興企業、需要の高い商品やサービスを取り扱う企業などがグロース株に該当する傾向にあります。
グロース株投資のメリットとしては
- 短期的な利益を期待できる
売上高や利益の成長率が高い企業が急速に成長すれば、株価が急騰する可能性があるため、タイミングよく売却することで、短期的な利益を狙いやすいと言えるでしょう。 - 長期的な成長が見込める
将来の成長性が期待される企業を長期的に保有することで大きなリターンを期待できます。 成長率の高い企業は、投資増や自社株買いなどの株主還元を行う可能性が高く、企業の成長に伴って上昇する傾向もあります。
グロース株投資のデメリットとしては
- 配当が少ない
成長企業は主に利益を新規事業や設備投資に有利な傾向があり、それゆえに配当などのインカムゲインがあまり期待できません。 - 割高な株価
成長性を織り込んで株価が形成されるため、すでに割高になっている場合が多いです。
などがあります。
割高な価格で購入しないためには
PER(株価収益率):1株あたり純資産の何倍の株価か
PBR(株価純資産倍率):1株あたり純利益の何倍の株価か
などの指標を参考にするとよいでしょう。
バリュー株投資
バリュー株投資は、割安と見られる株式を選んで投資する戦略です。これらの株は、その時点での企業価値や経済的な状況と比較して安く評価されていると考えられます。投資家は、安い株価で株を購入し、将来的に市場がその企業の本当の価値を認識し株価が上昇することを期待します。
一般的に、PBR(株価純資産倍率)やPER(株価収益率)などの財務指標を用いて、企業の株価がその企業の実際の価値と比べて低い場合に投資します。つまり、株価が割安であると見なされる株を指し、それに基づいて投資家はバリュー株を選択します。
バリュー株投資は、以下のメリットとデメリットがあります。
メリット
- 中長期的な値上がりが期待できる
投資家は、株価が実際の価値に達するまで待つことが多く、そのため安定した収益を長期間にわたって得ることができます。 - 割安な株価
バリュー株はその時点での実際の企業価値に比べて割安と見なされる傾向があります。投資家は株価が本来の価値よりも低いと考え、将来的に株価が上昇することを期待します。 - 配当利回りの高さ
一般的にバリュー株は配当利回りが高い傾向があります。投資家は高い配当を得ることができ、安定した収益を期待することができます。
デメリット
- 成長性への不確実性
割安とされる理由として、成長性に対する不確実性があることがあります。バリュー株は市場から過小評価されていることが多いため、成長性に疑念を抱えている場合があります。 - 投資のタイミングリスク
株価が実際の価値に合致するまで待つため、投資家はタイミングリスクを負います。市場が実際の価値を認識するまでに時間がかかる場合や、株価がなかなか上昇しない場合もあります。 - 業績の悪化リスク
割安な株価が企業の実態や業績によって正当化されることもあります。そのため、業績の悪化や問題が生じた場合、株価が下落するリスクもあります。
バリュー株投資は、割安な株価や高い配当利回りを求める投資家にとって魅力的ですが、不確実性やタイミングリスクを理解し、それに対処することが重要です。
高配当株投資
高配当株投資は、企業が株主に配当金を支払うことを重視する投資戦略です。投資家は、配当利回りが比較的高い企業の株を選択し、これによって定期的な収入を得ることを狙います。配当利回りは、企業の株価に対する年間の配当金の割合を示し、一般的には高い配当利回りが投資家にとって魅力的な要素とされます。
この戦略の利点は、定期的な収益を得られることです。特に退職後の収入を確保するために利用されることがあります。国内では、年に1回から2回の配当、米株では、年に4回の配当が一般的です。配当は毎年必ず約束されているというわけではなく、業績によって無配、増減されます。
では、高配当銘柄の選定方法はというと、配当利回りに注目します。配当利回りとは、企業が株主に支払う配当を、その企業の株価に対してどれだけの割合で支払っているかを示します。
配当利回りは以下のような式で計算されます:
配当利回り(%)=1株当たりの配当金額÷株価×100
しかし、高配当株投資にはいくつかのリスクも存在します。例えば、高配当を支払っている企業は業績の悪化や経済状況の変化により配当を削減することがあります。また、株価の下落によって配当利回りが高くなる場合もありますが、それは株価の低下によるものであり、資本の減少を意味します。
投資家は、高配当株を選ぶ際に以下のような特徴を重視することが一般的です:
- 安定した収益性を持つ企業:
高配当を続けるためには、企業が安定した収益を持つことが重要です。業績が安定している企業は、将来も配当を維持する可能性が高いです。収益が一貫している企業は、市場の変動や競争の影響を受けにくく、投資家にとって魅力的な選択肢です。 - 成熟した産業やセクターに属する企業:
成熟した産業やセクターに属する企業は、通常は安定したキャッシュフローを持ち、配当を支払いやすい傾向があります。成熟した市場では企業の業績が予測しやすく、そのために配当の安定性も高まります。 - 配当政策を重視する企業:
一部の企業は、利益の一部を株主に還元することを配当政策の中心に据えています。そのような企業は、配当を重視する姿勢を持っており、投資家に安定した収益を提供することに注力しています。これには、利益の一定割合以上を配当として支払うといった具体的な政策も含まれます。
高配当投資は、初心者や多忙な人には手をつけやすいのかもしれません。また、NISAで株式数比例配分方式を選択することによって、配当金に税金をかけない方法もあります。しかし、配当利回りのみで判断してしまうと業績不振などにより無配ということもあります。企業の業績や財務状況、配当政策や事業の将来性など総合的に判断して投資を行うようにしましょう。
優待株投資
優待株投資とは、企業が株主に対して提供する特典や優待を利用して投資する方法です。通常、優待株とはその企業の株主に特定の特典やサービスを提供する株式のことを指します。
優待は、株主に対するさまざまな特典やサービスを含みます。例えば、商品の割引、無料サービスの提供、イベントへの招待、優先的な株主向け情報提供などが挙げられます。企業によって異なりますが、これらのような特典を受けることができるため、魅力的な要素となります。
また、目的としては株主優待制度を利用して利益や特典を得ることであり、一般的な見方や株価上昇とは別の形での利益を目指します場合が多いです。 優待株を保有していることで、企業のサービスや商品を優待価格で利用したり、特典を受け取ることができます。
優待の内容は企業によって異なりますが、一般的な優待内容には以下のようなものがあります:
株主優待の内容は企業によって異なりますが、一般的な優待内容には以下のようなものがあります:
- 割引や特典
- 企業の商品やサービスを優待価格で購入できる権利
- 特定商品の無料提供や割引クーポンの配布
- 株主限定の特典
- 株主向けのイベントやセミナーへの招待
- 企業の新製品や新サービスの優先的な体験会
- 株主への優先情報提供
- 株主向け専用レポートや情報提供
- 会社の最新情報と業績報告の初期提供
- 株主優待券
- 特定のサービスや商品を提供するための券
- ポイントや特典カードとして利用できるもの
- 株主優待の追加株式
- 株主に対して新たな株式を指名することで、保有率を増やす特典
優待株投資も初心者には取り組みやすいです。優待株選定では、優待の内容だけで選んでしまうと失敗するとこもあるため、企業の業績が悪化していない、安定している株価も大切になってきます。