投資等をしていると、年末になってくると考えなくてはいけないのが税金。その中で、今年になってから暗号資産、FX等を行った方も多いのではないでしょうか。毎年やってくる確定申告。損益通算について学んでいきましょう。
損益通算とは
損益通算とは、一定の期間(通常は1年間)において、投資などの異なる取引から生じる利益(益金)と損失(損金)を相殺して計算することを指します。税金の計算にあたっては、この損益通算を行い、実際に課税される所得(利益)を決定します。
海外FXと国内FXの損益通算はできない
国内FX:
外為オプション、くりっく365、バイナリーオプション、CFD、先物オプションなどは損益通算が可能です。
海外FX:
他の海外FX、暗号資産や副業収入などの雑所得と損益通算が可能です。
国内FXは申告分離課税一律20.315%、海外FXは15〜55%程度の総合課税の枠組み内で、累進課税率によって税金が計算されます。なので海外FXと国内FXは損益通算はできません。
申告分離課税と累進課税
申告分離課税とは
その他の所得と合算せずに、特定の所得に対して個別に税率を適用し、申告・納税する方法です。この方式は、特定の種類の所得に適用され、その所得は他の所得と通算されません。
例えば、給与所得500万円ある会社員が国内FXで100万円利益が発生した場合には
国内FXの利益分の課税:100万円 x 20.315% = 20.315万円
が課税されます。
総合課税とは
他の種類の所得(給料や不動産所得など)と合算され、1年間の総所得から税金を計算する方法です。
例えば、給与所得500万円ある会社員が海外FXで100万円利益が発生した場合には
500万円+100万円= 600万円
に対して課税されます。利益を得るほど税率が上がる累進課税税率は以下の表を参照すれば理解できると思いますが、高利益ほど税負担も重くなります。
節税をするには
課税を減らすには、損益できる区分で相殺するのはもちろんですが、かかった費用(経費)を申告すると節税になります。
例えば、FXの場合
- FXについての書籍・メルマガ代、セミナー受講費用(参加する際の交通費や宿泊費含む)
- EA(自動売買用のソフト)やVPS(仮想専用サーバー)
- 取引専用のパソコンやスマホ代
- トレードするための部屋の家賃や光熱費
- インターネットの通信費
などがあります。インターネットなど生活の一部になっていて区分けが難しいのは全額経費として認められるわけではありません。また、申告すれば、税務調査の際に指摘されることがあるのでレシート、領収書など支払った証拠は保管しておいてください。
まとめ
投資をする上で税金に関しての知識を持ち合わせていた方が、片方では利益を出しても、もう片方で損がでているから課税を減らせるななどど考えて心と懐の安心にもつながります。
ただ、注意しておかなくてはいけないことは課税対象の利益がでたら必ず確定申告をして税金を納めてくださいということです。脱税になるので、分からなかったではすまされません。近年ではFXだけでなく、暗号資産でも利益を出している方も多くいます。ほぼ間違いなく脱税はバレるのでいかに節税できるかが利益を最大化する方法なのです。