2026年2月13日、片山さつき財務相(金融庁担当相)は閣議後の記者会見で、大手証券会社とメガバンクが進めるブロックチェーン技術を活用した証券決済の高度化に関する実証実験について、政府としての支援を正式に決定したと発表した。
この支援は、金融庁が2025年11月に立ち上げた「決済高度化プロジェクト」の枠組みを通じて行われる。実証実験では、国債、社債、投資信託、株式などの有価証券の権利移転をブロックチェーン上で記録・管理し、権利移転の円滑化を図ることが目的とされている。
さらに、法定通貨に連動するステーブルコインを活用し、有価証券の権利移転と売買代金の支払いを連動させる仕組みが導入される。これにより、証券取引における同時決済の実現を目指している。
片山大臣は、「証券取引に関わるプロセスの改善を見据えた、業界横断的な前向きな取り組みと受け止めている」と評価し、政府として法令の解釈などの面から実証実験をサポートする方針を示した。また、1月5日の東証大発会のセレモニーでも同様の構想について言及し、「金融業界や証券業界が想定よりも早く動いたことを高く評価している」と述べた。
国際競争力の強化に向けて、SBIホールディングスが独自のシステムで同様の取り組みを進めていることにも触れ、「私たちも応援している」と述べ、本件と連携するかどうかは各社の判断に委ねられるとの見解を示した。
片山大臣は、「ブロックチェーンやステーブルコインを活用することで、決済が高度化し、東証市場での競争力を高めることができる」と強調した。国内ではまだ完全な実現には至っていないものの、こうした取り組みを開始できたこと自体が画期的であると評価した。
従来の証券決済では、取引成立から実際の決済完了まで数日を要することが一般的だったが、ブロックチェーンとステーブルコインを活用することで、リアルタイムでの決済処理が可能になれば、取引の効率性向上だけでなく、決済リスクの大幅な低減にもつながる。
今回の政府による積極的な支援姿勢は、日本における暗号資産・ブロックチェーン技術の社会実装を加速させる重要な転換点となる可能性がある。特に、ステーブルコインが証券決済という金融インフラの中核で活用されることは、デジタル資産と伝統的金融の融合を象徴する動きといえるだろう。
今後、官民一体となったブロックチェーン活用の取り組みが本格化する見通しであり、日本の国際競争力強化に寄与することが期待されている。

![]() |


