ミャンマーのレアアース採掘がタイ北部の水質汚染を引き起こす

※本サイトはプロモーションが含まれています
※本サイトはプロモーションが含まれています
Blog

現在、ミャンマー国内では内戦が続いており、その影響で中国系企業が関与するレアアース(希土類)などの鉱山採掘が急増しています。この状況は、国境を挟んで下流に位置するタイ北部において、河川の水質汚染という深刻な問題を引き起こしています。特に、少数民族武装勢力や国軍の資金源となっていると考えられ、タイ側の村では住民の懸念が高まっています。

コック川の水質悪化と住民の生活への影響

タイ北部チェンマイ県の国境の村メーアイでは、コック川の水質が著しく悪化しており、住民の生活に深刻な影響を及ぼしています。地元の住民たちは、川の水の色が変わり、魚が減少したと訴えています。特に、農業や観光業が壊滅的な打撃を受けており、村の産業全体が大きな影響を受けています。村でレストランを経営する女性は、「川は私たちの生活を支えてきたが、今は子供たちが遊ぶこともできず、農業も観光もすべてが壊滅した」と語っています。

環境汚染の原因とその影響

昨年秋の豪雨以降、コック川は通常の透明度を回復せず、今年の検査では基準値を超えるヒ素や鉛などの有害物質が検出されました。市民団体「シャン人権基金」は、衛星画像の分析から、国境から約25キロ北のコック川の両岸でレアアースの採掘が行われていることを確認しました。この無秩序な採掘が環境に与える影響は深刻で、流域住民の健康が脅かされています。基金関係者は「内戦下にある国で環境規制などのルールは事実上存在せず、中国系企業による無秩序な採掘が横行している」と指摘しています。

ミャンマーの内戦と採掘の移転

ミャンマーはレアアースの豊富な埋蔵量で知られていますが、内戦の影響で採掘の中心地が変わっています。これまで北部カチン州が中心でしたが、少数民族武装勢力「カチン独立軍(KIA)」が支配する地域から、シャン州へと採掘が移転しています。シャン州では、中国系企業が採掘を行い、その収益が国軍や少数民族の資金源となっているとされています。

タイ政府の対応と今後の課題

タイ政府は、ミャンマーに代表団を派遣し、合同対策チームを結成して対応を進めることを決定しました。しかし、国境近くには国軍の統治が及ばない地域も多く、長引く戦闘が解決を難しくしています。今後、環境問題と地域住民の生活を守るための具体的な対策が求められています。

PR
moomoo証券