次世代決済インフラを手がけるINSPAY株式会社は1日、日本円ステーブルコイン「JPYC」を発行するJPYC株式会社、ノンカストディアルウォレット「HashPort Wallet」を提供するHashPort株式会社、京都市の飲料メーカー・チェリオコーポレーションと連携し、京都市内の自動販売機でJPYCによる決済の実証実験を開始した。同社が6日に発表した。
発表によると、自動販売機の実消費シーンでの日本円ステーブルコイン決済としては日本初の試みとなる。実証実験(PoC)は2026年9月30日まで実施予定で、京都市東山区や左京区の3か所に設置されたチェリオ自動販売機が対象となる。利用者はHashPort Walletを通じてJPYCを支払い、商品を購入できる。
実証実験の概要
実証実験は7月1日に京都で開幕した国際イベント「IVS2026」での展示を皮切りにスタートした。IVS2026の会期に合わせ、7月1日(水)限定で、IVS会場(京都市勧業館「みやこめっせ」)内の特設自動販売機にて、最先端の決済を体験できるユーザー体験キャンペーンが実施された。
PoC期間中は体験キャンペーンも実施する。HashPort WalletからJPYCで商品を購入すると、対象商品を半額で購入できる施策を予定しており、初めてステーブルコイン決済に触れる利用者のハードルを下げる狙いがある。
自動販売機という決済接点
日本は世界有数の自動販売機大国であり、駅や観光地、オフィスなど日常のあらゆる場面に設置されている。現金管理コストの上昇や訪日外国人の決済ニーズ、無人環境でのDX推進が課題となる中、少額かつ高頻度の支払いに向くステーブルコインは、自動販売機と親和性が高い決済手段として注目されている。
INSPAY株式会社の王越社長は、自動販売機を「日本で最も身近で高頻度な決済接点の一つ」と説明した上で、自動販売機業界のDXやキャッシュレス化、訪日外国人向けの決済環境整備につなげたいとしている。
今後の展望
9月末までの実証結果を踏まえ、無人小売端末やアミューズメント施設、イベント会場、観光地など、さまざまなオフラインの商業シーンへステーブルコイン決済を広げることを検討するという。
なお、JPYCは2025年10月27日に日本円と1対1で交換できるステーブルコインとして正式に発行を開始しており、金融庁に資金移動業者として登録している。今回の実証実験は、JPYCの実店舗・実消費シーンでの活用を大きく前進させる取り組みとして注目される。

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