アフリカ最大の取引量を誇る仮想通貨取引所VALRは、分散型レイヤー1ブロックチェーン「ハイパーリキッド(Hyperliquid)」を統合し、新たなクロスアセット型のパーペチュアル(無期限先物)商品「Perps」を発表した。ウェブ版は7月6日に提供を開始し、モバイル版は追って対応する。
発表によると、今回の統合により、VALRはオンチェーンのレイヤー1プロトコルを流動性調達・取引執行に直接組み込んだ規制対象の大手仮想通貨取引所として、初の事例となった。取引の開始・管理はこれまで通りVALR上で行い、実際の執行と流動性提供はハイパーリキッドの分散型ネットワークが担う仕組みだ。
株式、商品、為替まで一つの口座で取引可能に
新たなパーペチュアル商品では、一つの取引口座から200を超える市場にアクセスできる。対象にはエヌビディア、テスラ、アップル、サムスン、SKハイニックス、パランティアなどの株式に加え、S&P500をはじめとする各国の株価指数も含まれる。
取扱資産は株式にとどまらない。ブレント原油やWTI原油、天然ガス、金、銀、プラチナ、銅などの商品や、EUR/USD、GBP/USD、USD/JPYといった主要通貨ペアも対象となる。仮想通貨についてはビットコインやイーサリアム、ソラナのほか、複数のレイヤー1・レイヤー2ネットワークやDeFiトークンなど、活発に取引される銘柄を幅広くカバーする。
VALRがHyperliquidを選んだ理由
VALRがハイパーリキッドを選んだ理由について、同社はパーペチュアル取引に特化した高速な執行と、オンチェーン上の厚い流動性を挙げている。VALRの最高執行責任者(COO)であるジャンルカ・サッコ氏は、「Perpsは仮想通貨トレーダーが価格に対する見方を表明する手段であり、現在その市場は日次取引高が数千億ドルに達している。我々はPerpsがやがてあらゆる市場の取引方法になると確信している。Hyperliquidの統合により、ユーザーはどこよりも深いオンチェーン流動性を利用できるようになる」と述べている。
VALRの背景と規制状況
VALRは南アフリカ金融行動監視機構(FSCA)の監督下で運営するほか、ケイマン諸島金融庁(CIMA)から予備ライセンスも取得している。登録ユーザーは190万人を超え、法人・機関投資家等の取引先は1900社以上に上る。同社はパンテラ・キャピタル(Pantera Capital)、コインベース・ベンチャーズ(Coinbase Ventures)、フィデリティ系列のF-プライム・キャピタル(F-Prime Capital)などから出資を受けている。
業界への影響
今回の動きは、規制取引所とオンチェーンの市場インフラの収束が進んでいることを示している。Hyperliquidにとっては、規制下にある約200万人のユーザーを抱える取引所が自社のプロトコル上に構築したことは、重要なバリデーションの出来事となる。業界データによれば、パーペチュアル先物は現在デリバティブ取引の大半を占め、日次取引高は数千億ドルに達しており、トークン化された株式や商品、外国為替へと拡大を続けている。

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