2025年3月6日、イーサリアムのレイヤー2ソリューション「MegaETH」がテストネットの運用を開始します。このプロジェクトは、リアルタイムのブロックチェーン・パフォーマンスを実現することを目指しており、特にアプリおよびインフラ開発者に向けたオンボーディング期間が設けられています。一般ユーザーは3月10日以降に参加可能となり、テストネット用のETHが直接配布される予定です。
MegaETHの特徴と目標
MegaETHは、イーサリアムのエコシステムとの互換性を保ちながら、スケーラビリティを大幅に向上させることを目的としています。具体的には、ミリ秒未満のレイテンシと毎秒10万トランザクション（100,000 TPS）を超えるスループットを実現することを目指しています。初期のテストネットでは、15ミリ秒のブロック時間と2万TPS、1.68 Ggas/秒のパフォーマンスを目標にしています。
開発者は「MegaForgeプログラム」に参加し、リアルタイムゲームやリアルタイムDeFi（分散型金融）、高頻度取引のテストを行うことができます。MegaETHは、Web2レベルのパフォーマンスを提供する「世界初のリアルタイム・ブロックチェーン」として、ブロックチェーンと高性能クラウドコンピューティングとのギャップを埋めることを目指しています。
ノードの専門化とパフォーマンスの最適化
MegaETHは、ネットワーク上の全ノードに全てのタスクを実行させるのではなく、特定の役割に分けるノード専門化モデルを採用しています。このモデルにより、パフォーマンスを最適化しつつ、堅牢な分散化を維持することが可能です。具体的には、シーケンサーノード、プルーバーノード、レプリカノード、フルノードの4つの役割があり、それぞれが特定のタスクを担当します。
MegaETHの背景と資金調達
MegaETHは、スタンフォード大学でコンピュータサイエンスの博士号を取得したイーロン・リー氏の「リアルタイム・ブロックチェーン」という独自のコンセプトから始まりました。マサチューセッツ工科大学（MIT）でブロックチェーン研究を行っていたレイ・ヤン氏や、ConsenSysでグローバルビジネス開発の責任者を務めたシュヤオ・コン氏が加わり、「MegaLabs」を共同設立しました。
2024年6月には、Dragonfly Capitalが主導したシードラウンドで2,000万ドルの資金調達に成功し、イーサリアム共同創設者のヴィタリック・ブテリン氏やジョセフ・ルービン氏などがエンジェル投資家として参加しました。さらに、同年12月にはトークン入手権利と株式の提供を通じて1,000万ドルを追加で調達しました。
期待されるユースケース
MegaETHの超高スループットにより、高頻度取引プラットフォームやリアルタイムゲームなど、次世代の分散型アプリへのサポートが期待されています。瞬時決済や高頻度取引（HFT）、リアルタイム対戦ゲームなど、これまでブロックチェーンで実現することが難しかったユースケースでの採用が見込まれています。
結論
MegaETHは、イーサリアムの新たなレイヤー2スケーリングソリューションとして注目されており、3月6日から段階的にパブリックテストネットを開始します。ブテリン氏の直接出資もあり、「ヴィタリックお墨付きのL2」として市場から高い関心が寄せられています。今後の展開に期待が寄せられる中、MegaETHがどのようにブロックチェーンの幅広い適用を可能にするのか、注目していきたいと思います。
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