世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は25日、アフリカ・コンゴ民主共和国(旧ザイール)東部で発生したエボラ出血熱を巡り「現時点では流行の拡大速度がわれわれの対応を上回っている」と述べ、急速な拡大に危機感を示した。アフリカ連合(AU)疾病対策センター(CDC)とのオンライン会合で演説した。
テドロス氏は、WHOはコンゴ民主共和国での支援を強化しているとしつつも、政府軍と反政府勢力の紛争に伴う政情不安などにより、現地での活動は困難を極めていると指摘。住民が治療施設に放火した事件を念頭に、住民の間には外部の人々や組織に対する「大きな不信感がある」とも述べた。
ウガンダなどコンゴ民主共和国と国境を接する国々のリスクは特に高いとして「直ちに行動を取るべきだ」とし、対策の必要性を強調。自身も26日に、WHO高官と共にコンゴ民主共和国に向かう意向を表明した。
感染状況
WHOによると、コンゴ民主共和国では感染が確認された人が101人、感染が疑われる人は900人を超え、感染疑いを含む死者は220人に上っている。隣国ウガンダでも感染者5人と死者1人が確認されている。
今回広がっている「ブンディブギョ型」は、感染者の約3分の1が死亡するまれな株で、有効性が確認されたワクチンや治療薬がない。政府軍と反政府勢力の戦闘による治安悪化も、対応を難しくしている。
WHOのリスク評価
WHOは17日に緊急事態を宣言。コンゴ民主共和国の流行リスクは「非常に高い」、地域レベルでは「高い」、世界全体のリスクは「低い」としている。テドロス氏は「状況は改善する前にさらに悪化するだろう」との見方を示している。

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