デンマーク政府は9月25日、国内4カ所の空港や空軍基地付近で無人機(ドローン)の飛来が確認されたと発表しました。これにより、北部オールボー空港を含む複数の空港が一時閉鎖され、約2万人の乗客に影響が出ました。22日にも首都コペンハーゲンの空港周辺で同様の事態が発生しており、警戒が強まっています。
「ハイブリッド攻撃」の可能性
ポールセン国防相は記者会見で、今回のドローン飛来について「同時多発的かつ体系的な動きから、プロによる犯行である」と指摘しました。また、軍事と非軍事手段を組み合わせた「ハイブリッド攻撃」に該当する可能性があると述べています。
- ロシアの関与は不明: 現時点でロシアの関与を示す証拠はないものの、デンマーク政府は「国家による活動」の可能性をNATO加盟国に通知しています。
- NATOとの協議: デンマークはNATOと協議を行い、必要に応じて北大西洋条約第4条(緊急協議の要請)を発動する可能性も示唆しています。
影響と対応
- 空港閉鎖: オールボー空港は3時間、ビルン空港は1時間閉鎖されました。他にもスクリュズストロプ空軍基地やホルステブロの軍施設上空でドローンが目撃されています。
- EU会合への参加: デンマークは26日に開催されるEUの無人機対策会合に参加し、対応策を協議する予定です。
背景と懸念
デンマークでは、重要インフラを狙った攻撃が増加しており、今回のドローン飛来もその一環とみられています。ゼレンスキー大統領はSNSで「ロシアによる挑発の可能性」を指摘し、同盟国に断固とした対応を求めています。一方、ロシア側はこれを否定しています。
今後の注目点
- 実行主体の特定: ドローン飛来の背後にある勢力の特定が急務です。
- NATOの対応: NATO加盟国全体での防衛能力強化が求められています。
- デンマークの防衛体制: 今後、無人機対策の強化が進むと予想されます。
デンマーク政府は引き続き調査を進めるとともに、国際的な協力を通じて安全保障の強化を図る方針です。

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