2026年5月8日、アプトス財団(Aptos Foundation)とアプトス・ラボ(Aptos Labs)は、エコシステム全体で5,000万ドル(約78億円)を超える投資を行うことを公式に発表しました。この資金は、自社開発プロダクト、研究、プロトコル基盤、トレーディング・AI領域のパートナー向け戦略ファンドの4つの領域に配分される予定です。
投資の背景と目的
アプトスは、今回の投資コンセプトを「機関投資家グレードの執行を要求する市場と、機械速度で取引する自律システムが、オンチェーン活動の次の10年を定義する」と位置付けています。これにより、アプトスのスタックはレイヤー1からエンドユーザーまでの全領域を網羅し、各レイヤーが市場または機械それぞれに固有の課題に対応する設計となっています。
ネイティブトークンAPTの役割
アプトスのネイティブトークンであるAPTは、アクセス権、パフォーマンス、供給経済性を下層レイヤーと結び付ける重要な役割を担っています。アプトスは、「ほとんどのチェーンが注目(attention)を最適化対象としているのに対し、アプトスは需要が後から到来する前提で数十億単位のトランザクション処理基盤を出荷してきた」と説明しています。
オンチェーン・アプリケーションの展開
具体的なオンチェーン・アプリケーションとして、フル・オンチェーンのオーダーブック型取引所「デシベル(Decibel)」がメインネット上で稼働しており、累積取引高は10億ドルを突破しました。デシベルでの全取引はAPTのバーン(焼却)を伴うため、取引量の増加が同トークンの供給縮小に直結する設計となっています。また、AIエージェントの読み込み中心のアクセスパターンに最適化したストレージ「シェルビー(Shelby)」も、データセット流通のための基盤として展開されています。
アプトスの5つの差別化要素
アプトスは、現時点で他チェーンと比較して同時に成立している5つの特徴を提示しています。
- 技術面: サブセコンドのファイナリティと並列実行を実現し、主要チェーン中で最低水準の取引手数料を提供。
- セキュリティ面: プログラミング言語「Move」を採用し、資産複製や不正アクセスなどの脆弱性を排除。ポスト量子署名がハードフォークなしで稼働中。
- 政策面: APTが米証券取引委員会(SEC)および米商品先物取引委員会(CFTC)によってデジタル・コモディティとして分類されている。
- 機関投資家面: ステーブルコインの時価総額が2024年末以降にほぼ10倍に拡大し、リアル・ワールド・アセット(RWA)が12億ドルに達する見込み。
- コンフィデンシャル機能: サードパーティ製ツールではなく、プロトコル層にネイティブで組み込まれている。
今後の展望
アプトスは、今後のロードマップとして、提出からブロック確定までトランザクション内容を秘匿する暗号化メンプールの導入や、機関投資家・取引会社が標準的に利用する「FIX」プロトコルおよびプロ向けライブラリ「CCXT」へのオンチェーン対応を計画しています。また、ACM CCS(コンピュータ通信セキュリティ会議)でピアレビューを通過した研究に基づくマルチリーダー型コンセンサスの実装も進めています。

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