インドネシア政府は30日、プラボウォ大統領が予定していた中国訪問を取りやめると発表しました。この決定は、国内で学生や労働者による大規模な抗議デモが相次いでいるためです。訪中に合わせて調整されていた日本への訪問も不透明になりました。
プラボウォ大統領は、31日に中国の天津市で開幕する上海協力機構(SCO)に招待国として参加する予定であり、9月3日には北京市で開催される抗日戦争勝利80年記念式典にも出席する計画でした。しかし、国内情勢を最優先するため、これらの行事への出席も見送ることになりました。
抗議デモの背景
インドネシアでは、国会議員に支給される高額な住宅手当が問題視され、これに対する抗議が各地で広がっています。特に、ジャカルタでは、バイクタクシーの運転手が警察車両にはねられて死亡した事件が発生し、デモはさらに激化しました。29日には中部スラウェシ島のマカッサルでデモ参加者が議会の建物に放火し、4人が死亡する事態に至っています。
今後の影響
プラボウォ大統領の訪日計画にも影響が出る可能性があります。日本とインドネシア両政府は、9月5日を軸に首脳会談の開催を調整中でしたが、国内の抗議活動が続く中で、これらの外交日程が変更される可能性が高まっています。

![]() |