米ビットマイン・イマージョン・テクノロジーズ(以下、ビットマイン)は、トム・リー会長による「5%の錬金術」と題した投資家向けプレゼンテーションを公開しました。このプレゼンは、月次ビデオシリーズ「会長のメッセージ」の初回であり、投資家に暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)の長期的なメリットを伝えることを目的としています。
「5%の錬金術」の投資戦略
「5%の錬金術」とは、ビットマイン社がイーサリアムの総供給量の5%を取得することを目指す投資戦略です。この戦略は、マイクロストラテジーのビットコイントレジャリー戦略を模倣しつつ、イーサリアムに特化している点が特徴です。リー氏は、ビットマイン社がビットコインではなくイーサリアムを選択した理由として、イーサリアムが今後10年間で最も重要なマクロトレードになると確信していることを挙げています。
ステーブルコインの急成長
リー氏は、急速に採用が拡大しているステーブルコインの存在がイーサリアムの成長に寄与すると指摘しています。JPモルガンやアマゾンなどの大手機関によるステーブルコイン発行計画が相次ぐ中、ステーブルコインは仮想通貨における「ChatGPT的転換点」を迎えていると述べています。また、米国におけるGENIUS法の成立もステーブルコイン市場にとって強力な追い風となり、スコット・べセッント米財務長官は市場が4兆ドル規模に成長する可能性を示唆しています。
トレジャリー戦略の強み
リー氏は、ビットマインのようなイーサリアムトレジャリー企業が提供する価値について、以下の4つのポイントを挙げています。
- 株式や転換社債の発行: ETH保有量を継続的に増やし、1株あたりのETH保有量を向上させる。
- ボラティリティの活用: ETHのボラティリティを利用し、資金調達コストを削減する。
- ステーキング収益の再投資: ステーキングによる利回りを再投資し、さらなるETH購入を実現する。
- 他のETH保有企業の買収: 資産基盤を強化するために、他の企業を買収する。
ビットマインの成長と資産状況
トム・リー氏は、6月30日付でビットマイン社の取締役会長に就任し、イーサリアムの大量購入を目的とする2億5,000万ドルの資金調達を主導しました。私募による資金調達は7月8日に完了し、わずか18日後の7月27日時点で、ビットマイン社は合計27億ドルの財務資産を有する企業へと成長しました。
資産の内訳は以下の通りです:
- 60万ETHトークン: 23億ドル
- ビットコイン: 2,300万ドル
- 現金: 3億6,900万ドル
この成長により、1株あたり純資産価値(NAV)は約23ドルに達し、18日間で24億ドルの株主価値を創出しました。
ストラテジーとの比較
リー氏は、ビットマイン社の成長スピードをストラテジー社と比較し、その驚異的な速度を強調しました。ビットマイン社は、2億6,500万ドルからスタートし、わずか18日で27億ドルの資産を保有するという10倍の速度で成長を実現しました。
今後の展望
リー氏は、ビットマイン社が米国の規制に準拠したバリデータネットワークの構築を目指すと宣言し、イーサリアムのNFTプロジェクトやイーサリアム財団との協力を通じてコミュニティに積極的に関わる方針を示しました。また、イーサリアム供給量の5%を取得する「5%の錬金術」が同社の最大の目標であることを再確認しました。

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