2025年3月27日、レイヤー1ブロックチェーンSei(SEI)を支える非営利開発組織であるSei財団が、倒産したゲノム企業23andMeの買収を検討していることを発表しました。この計画は、1500万人のユーザーの遺伝子データをブロックチェーン上に移行し、データのセキュリティを強化することを目的としています。Sei財団は、この取り組みを「これまでで最も大胆なDeSci(分散型サイエンス)の賭け」と位置付けています。
23andMeの経営危機とその影響
23andMeは、消費者向けDNA検査サービスで広く知られている企業ですが、最近、米連邦破産法第11条の適用を申請し、深刻な財政難に直面しています。この状況は、同社の顧客にとっても大きな懸念材料となっており、特に遺伝子データの取り扱いに関する不安が高まっています。Sei財団は、23andMeの経営危機を受けて、ゲノムデータのセキュリティが国家安全保障上の重要な問題であると強調しています。データが不正に利用されるリスクが高まる中、個人の遺伝情報を安全に管理する必要性が一層増しています。
ブロックチェーンによるデータ管理の革新
Sei財団の提案する買収が実現すれば、23andMeのデータをブロックチェーンに統合することが可能になります。これにより、ユーザーは自分の遺伝子データの所有権を持つことができ、データの暗号化された転送を通じてプライバシーを確保することができます。さらに、ユーザーは自分のデータをどのように収益化するかを選択できるようになるため、個人のデータに対するコントロールが強化されることになります。
Sei財団は、「これは単に会社を救うということではなく、最も個人的なデータをコントロールできる未来を築くということなのだ」と述べており、個人の権利を尊重した新しいデータ管理の形を目指しています。このアプローチは、従来の中央集権的なデータ管理から脱却し、分散型のシステムを通じて個人のプライバシーを守ることを目的としています。
DeSciスタートアップへの投資と支援
Sei財団は、今年、Seiネットワーク上で開発を行うDeSciスタートアップに特化した6500万ドル(約98億円)のベンチャーキャピタルファンドも立ち上げています。このファンドは、ブロックチェーン技術を活用した新しい科学的アプローチを支援することを目的としており、特に分散型サイエンスの分野での革新を促進することを目指しています。これにより、研究者やスタートアップが新たな技術を開発し、科学の進展に寄与することが期待されています。
市場の反応と今後の展望
このニュースを受けて、SeiネットワークのネイティブトークンであるSEIは一時3%上昇しましたが、その後上げ幅を縮小しました。市場はこの動きを注視しており、Sei財団の取り組みがどのように展開されるかに関心が寄せられています。また、23andMeの破産申請以来、同社の顧客に対してデータ削除を促す警告が各州の司法長官から発信されており、データの安全性に対する懸念が高まっています。
Sei財団の取り組みは、ブロックチェーン技術を通じて個人データの管理とセキュリティを強化する新たな試みとして注目されています。今後の展開に期待が寄せられる中、個人の遺伝子データがどのように扱われるのか、そしてそれが私たちの生活にどのような影響を与えるのか、引き続き注視していく必要があります。

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