トランプ米大統領は、カナダで開催中の主要7カ国首脳会議(G7サミット)を切り上げ、現地時間16日夜に米首都ワシントンに帰国することが決定しました。これは、緊迫度を増す中東情勢への対応を優先するためです。トランプ氏は記者団に対し、「早くワシントンに戻らなければならない明白な理由がある」と語りました。
中東情勢への対応
サミットは16日に全体討議が始まったばかりでしたが、レビット報道官は「多くの重要な案件に参加するため、トランプ大統領は今夜帰国する」と述べ、中東情勢への対応が主な理由であると強調しました。トランプ氏は、16日夜のG7首脳との夕食会に出席した後に帰国する予定です。
他の首脳との会談
トランプ氏は、G7サミットの初日にカナダのカーニー首相、英国のスターマー首相、ドイツのメルツ首相、日本の石破茂首相、EUのフォンデアライエン委員長らと会談しましたが、韓国の李在明大統領やインドのモディ首相との会談は難しくなったとされています。
イスラエルとイランの緊張
イスラエルとイランの攻撃の応酬が続く中、トランプ氏は「イランは合意を望んでいて、私がここを離れたらすぐに何か動きがあるだろう」と述べ、イランの核開発に関する協議を模索していることを示唆しました。米国はイランとの直接交渉を通じた戦闘終結を探っているとみられ、和平実現に向けた合意が「成立することを強く願っている」との見解も示されています。
G7サミットの影響
トランプ氏の途中帰国は異例の事態であり、サミットの議長国カナダのカーニー首相は「大統領が来てくれたことにとても感謝している。彼が帰国する理由も十分に理解している」と述べ、トランプ氏の判断に理解を示しました。トランプ氏の帰国により、G7での重要な議題に対する影響が懸念されています。

![]() |