トランプ大統領は6月9日、デル、ゴールドマン・サックス、ウーバーの各CEOとの円卓会議で「トランプ貯蓄口座」を正式に発表しました。この制度は、少子化対策の一環として位置づけられ、2025年1月1日から2029年1月1日に米国で生まれた新生児を対象に、政府が1,000ドルを株式市場連動のインデックスファンドに投資する仕組みです。
制度の概要
- 対象: 2025年1月1日から2029年1月1日までに米国で生まれた新生児。
- 初期資金: 政府が1,000ドルを拠出。
- 追加投資: 両親や口座管理者は年間最大5,000ドルまで税引き後資金で追加投資可能。
- 運用方法: 資金は米国株式市場全体を追跡するインデックスファンドで運用される。
- 引き出し条件:
- 18歳で残高の50%を引き出し可能。
- 25歳で教育資金や起業資金として全額引き出し可能。
- 30歳で制限なく全額引き出し可能。
財源と懸念
この制度の実現には、上院での「ビッグ・ビューティフル法案」の可決が必要です。財政保守派議員からは国家債務の増大への懸念が示されており、政府は海外送金への3.5%課税で36億ドルの財源確保を計画しています。しかし、専門家からは529教育貯蓄口座やロスIRAと比べて税制優遇が限定的であるとの指摘もあります。
少子化対策としての意義
米国では少子化が進行しており、2023年の合計特殊出生率は1.6程度と、人口維持に必要な2.1を大幅に下回っています。このような背景から、トランプ貯蓄口座は経済的支援策として注目されていますが、実際にどの程度の効果があるかは今後の議論に委ねられています。

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