金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律案

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Crypto

金融商品取引法(金商法)などの改正案が7月15日の参院本会議で可決、成立する見込みとなった。同改正案は暗号資産(仮想通貨)を金融商品として初めて位置づけるもので、仮想通貨の発行者に年1回の情報開示を義務付け、健全な市場環境を整える内容だ。登録せずに販売した業者への罰則も厳しくする。

改正案の概要と成立までの経緯

暗号資産取引に係る規制を資金決済法から金融商品取引法(金商法)へ移管する「金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律案」は、6月11日に衆議院本会議で可決され、参議院に送付された。参議院財政金融委員会は7月14日、同改正案を賛成多数で可決し、残るステップは参議院本会議での採決のみとなった。法案は通常国会の会期末である7月17日までに成立する見通しである。

主な規制内容

情報開示の義務化

改正案では、特定の者のみが発行権限を持つ暗号資産を「特定暗号資産」と定義し、発行者による募集・売出し時の情報公表を義務付ける。一方、ビットコインのように特定の発行者が存在しない暗号資産については、暗号資産取引業者が取り扱う場合に、当該業者に暗号資産情報の公表義務が課される。金融庁は国内の交換業者が取り扱う105銘柄について、発行者の有無や使用されている基盤技術、価格変動のリスクなどの開示を求める方針を示している。

インサイダー取引規制の導入

暗号資産に関するインサイダー取引規制が整備される。特定暗号資産発行者や暗号資産取引業者、大量売買を行う者の関係者などが、未公表の重要事実を知りながら公表前に売買などを行うことを禁止するほか、重要事実の伝達や取引推奨も禁止対象となる。具体的には、取り扱いの開始や廃止、発行者の破産などの重要事実が対象となる。

投資家保護と罰則強化

個人投資家の保護を目的とした投資上限の設定も盛り込まれている。また、登録せずに販売した業者への罰則も厳しくする。

税制面の変更

税制面では、金商法等の改正を前提に、一定の暗号資産を対象とする20%の申告分離課税や、一定要件の下での損失の3年間の繰越控除が手当てされている。ただし、これらの適用開始は金商法改正法の施行時期に連動するため、実際の適用時期は今後確認が必要となる。施行は2027年度となる見通しである。

議論と反対意見

参議院財政金融委員会での採決に先立つ討論では、反対意見も出た。日本共産党の小池晃議員は、暗号資産について「価値の裏付けがない投機であり、サナエトークンなどのミームコインや分散型取引所(DEX)への規制が及ばないまま金商法移管や分離課税化を進めることは、国による事実上のお墨付きになりかねない」と指摘した。また、プロ向け投資家(特定投資家)の対象拡大が一般投資家をリスクに巻き込む懸念もあるとして、法案への反対を表明した。

一方、森ゆうこ議員から与野党共同で提案された14項目の附帯決議案が提出・朗読され、全会一致で採択された。これを受け、片山さつき財務大臣は「政府として配慮していく」と述べた。

背景と意義

暗号資産の金商法化に関する議論が本格化した背景には、市場の活性化に伴い機関投資家などの投資マネーが市場に流入し、暗号資産の実態に即した枠組みが求められるようになったことが挙げられる。米国で2024年1月にビットコインの価格と連動する「ビットコインETF」が解禁されたことも追い風になっている。日本でもこうした金融商品を解禁してほしいとの声が暗号資産の業界団体や金融機関などから上がっていた。

これまで暗号資産は資金決済法に基づく「決済手段」として位置付けられ、株式や債券、投資信託を規律する金商法の適用対象の外にあった。今回の改正により、暗号資産は「有価証券とは別の金融商品」として位置付けられ、その性質を踏まえた規制が適用されることになる。

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