暗号資産(仮想通貨)の量子コンピュータリスク対策に取り組む「プロジェクト・イレブン(Project Eleven)」は19日、リップル社との協業を発表した。両社はXRPレジャー(XRPL)の耐量子セキュリティ強化に向け、システム全体の調査や新たなセキュリティソリューションの開発を進める。
協業の背景と目的
今年4月にリップル社は、量子コンピュータリスクへの対応計画を公開。2028年までに量子耐性を完全に備える準備を進めると表明し、その際にプロジェクト・イレブンとの協業も明らかにしていた。今回の発表は、その協業の具体的な内容を詳細に説明するものだ。
具体的な取り組み内容
プロジェクト・イレブンは、XRPLの以下のレイヤーにおける脆弱性を全面的に調査する:
- バリデータ
- カストディ
- ネットワーキング
- ウォレット
調査後は、以下の対策を展開する計画だ:
- ハイブリッド署名:既存の標準規格の上に量子耐性のある暗号を重ねる方式
- 量子耐性カストディ・ウォレットの試作品開発
- 動作するコードや実測パフォーマンスデータの提供
- 実運用への道筋の提示
関係者のコメント
RippleX エンジニアリング部門責任者 J. Ayo Akinyele氏:
「XRPLはゼロから量子リスク対策を行う必要がないという強みがある。すでに鍵ローテーションのような中核機能や、大規模にアップグレードを連携できるバリデータネットワークが存在する。プロジェクト・イレブンは、技術スタックの量子対策を実験・実装する際に、より速く、より綿密に前進することを支援してくれる。目的は、必要に迫られるはるか前に運用の準備をしておくことであり、Q-Day(量子コンピュータが暗号を破る日)が来てから対応することではない」
プロジェクト・イレブン CEO Alex Pruden氏:
「全ての主要なブロックチェーンが暗号技術において同様の脆弱性にさらされているが、現時点では対応の大部分がリサーチ段階にある。今回の協業は実行を目的としたものだ。リップル社は量子リスクをエンジニアリングの現実的な問題として捉えており、それは正しいアプローチである」
業界全体の動向
XRPLに限らず、仮想通貨・ブロックチェーン領域では、セキュリティ基盤である暗号を量子コンピュータが破る日に備え、広く準備が進められている。一方で、暗号解読できる水準に量子コンピュータが発展するまでには長期間かかるとの見方が優勢であり、冷静に準備を進める必要性を指摘する声も多い。

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