暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)の開発者トム・レーマン氏は、プライバシー送金を可能にするイーサリアム改善提案「EIP-8182」を、2026年に予定される次期アップグレード「ヘゴタ」に組み込むことを正式に提案した。
背景:公開取引の課題
レーマン氏は、イーサリアムでは年間数千億ドルもの取引が行われている一方、ほぼすべての取引が公開されていると指摘。2025年時点で、イーサリアムのトランザクションのうちプライベートなものは1万件に1件未満にとどまっている。他の金融システムではこのような規模での取引公開はなく、イーサリアムも例外であってはならないとしている。
EIP-8182の仕組み
EIP-8182は、イーサリアムのプロトコルに共有のシールドプール(匿名セット)をシステムコントラクトとして直接構築するものだ。主な特徴は以下の通り:
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| アドレス形式 | 特殊な形式不要。既存のイーサリアムアドレスやENS名に対応 |
| ゼロ知識証明 | 署名と証明生成を分離。一般的なデバイスでもリモートプロバーを利用可能 |
| アカウント抽象化 | パスキー、マルチシグ、ソーシャルリカバリなど多様な認証方法に対応 |
| 手数料 | 独自の追加手数料なし。通常のガス代のみ |
プライバシーの仕組み
- 預け入れ・引き出し時:トークンの種類・金額・アドレスは公開
- プール内送金:トークンの種類、金額、送金相手がすべて非公開
- デフォルト:無条件のプライバシーを提供。アプリ層で不正資金証明ツールの構築も可能
イーサリアム財団の姿勢
イーサリアム財団は昨年9月に包括的なプライバシー構築のためのロードマップを公開。プライバシーがなければ機関や一般ユーザーを他の場所に追いやるとし、企業や機関投資家のイーサリアム採用においてプライバシーを重視する姿勢を示している。
今回の改善提案は、今後イーサリアムの開発者会議で議論され、採用の有無が決定される見通しだ。

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