高市早苗首相は6日の参院決算委員会で、政府の安全保障関連3文書の改定を巡り「あらゆる課題についてしっかりと議論の俎上に載せる」と明言した。非核三原則の見直しをあわせて議論する必要性を提起され、これに答えた形だ。
日本維新の会の松沢成文氏への答弁で、松沢氏は「『持ち込ませず』に固執すると米国の拡大抑止の有効性を低下させる可能性がある」と訴えた。これに対し首相は「強固な日米同盟のもと核抑止力を含む米国の拡大抑止の信頼性を強化するための方策は不断に検討する」と強調した。
首相は3文書改定に向けた自民党と維新の各提言に関し「あまりの内容の開きにぼうぜんとした」と語った。維新は「持ち込ませず」について「現実的検討を行うべき」だと明記し、原子力潜水艦の早期導入を求めたのに対し、自民党はいずれも盛り込まなかった。
安保3文書改定を巡る背景
政府は2025年10月に就任した高市首相が前倒し改定を表明しており、2026年末までの改定を目指している。現行の3文書は2022年12月に策定され、2027年度に向けてGDP比2%水準の防衛費を目指すことが明記されていた。首相は2025年度中に2%水準を前倒しで措置し、来年中の三文書改定を目指すと明言している。
自民党と維新の溝
自民党と日本維新の会は6月24日、政府が予定する安全保障関連3文書改定に関する提言を高市首相に提出したが、主に核政策を巡る溝が埋まらず、与党案の一本化を見送る異例の対応となった。両党は防衛費増額に言及したものの、自民は具体的な水準に触れず、NATO加盟国が目標に掲げるGDP比3.5%などを例示するにとどめた。一方、維新は2026年度基準でGDP比2%以上を要求し、中長期的には同志国の基準である3%以上を参考にするよう求めた。
非核三原則を巡る議論
維新は非核三原則の「持ち込ませず」について「現実的検討を行うべき」と明記し、原子力潜水艦の早期導入を求めた。これに対し自民党はいずれも盛り込まなかった。首相は「強固な日米同盟のもと核抑止力を含む米国の拡大抑止の信頼性を強化するための方策は不断に検討する」と述べる一方で、非核三原則の見直しについては「あらゆる課題についてしっかりと議論の俎上に載せる」とし、今後の議論の対象とする姿勢を示した。
今後の展望
政府は4月27日から「総合的な国力から安全保障を考える有識者会議」を開催しており、年内の閣議決定を目指している。首相は「これからが検討の正念場なので、しっかり参考にする」と述べており、非核三原則の見直しを含む核政策を巡る議論が今後の焦点となる見通しだ。

![]() |


