2025年12月4日、米商品先物取引委員会（CFTC）のキャロライン・ファム委員長代行は、CFTC登録先物取引所が初めて仮想通貨現物商品の取引を提供可能になったことを発表しました。この動きは、トランプ政権が掲げた「米国を仮想通貨の世界首都にする」という公約の重要な一歩とされています。
ファム委員長代行は、最近の海外取引所でのハッキング事件などが、米国人にとって安全で規制された市場へのアクセスの重要性を示していると述べました。これにより、約100年にわたり金本位制とされてきたCFTC登録取引所で、米国民が求める顧客保護と市場の健全性が提供されることになります。
この発表は、大統領デジタル資産市場作業部会の勧告やCFTCの仮想通貨スプリントにおける利害関係者の意見、証券取引委員会との協力的な関与に基づいています。仮想通貨スプリントでは、ステーブルコインを含むトークン化された担保をデリバティブ市場で利用可能にすることや、ブロックチェーン技術の利用を可能にするための規制の技術的修正も含まれています。
ファム委員長代行は、11月10日に仮想通貨現物取引が早ければ12月にも開始されることを確認していました。シカゴ・マーカンタイル取引所（CME）、Cboeフューチャーズ取引所、ICEフューチャーズなどの大手金融機関に加え、コインベース・デリバティブズやカルシ、ポリマーケットUSなどの仮想通貨企業もこの議論に参加しています。
ファム氏は、15年前に議会が金融危機後の市場強化改革を可決したにもかかわらず、CFTCが長年の市場需要に対して規制上の明確性を提供してこなかったと指摘しました。代わりに、明確なルールではなく法執行による規制を選択し、仮想通貨業界に巨額の罰金を科したが、個人投資家に安全な取引の場を提供することはなかったと批判しています。
現在、米国の規制取引所ではビットコイン先物やイーサリアム先物などのデリバティブ取引は可能ですが、現物取引は提供されていませんでした。レバレッジ付き仮想通貨取引は海外取引所で長年提供されており、数十億ドル規模の取引量が海外に流出していました。
CFTC規制下の米国プラットフォームで仮想通貨現物取引が実現すれば、厳格な監督と投資家保護の下で安全に取引できる環境が初めて整うことになります。
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