米司法省は14日、280万ドル（約4億円）を超える暗号資産、7万ドル（約1,000万円）の現金、高級車の押収を認める6件の捜査令状を公開しました。この仮想通貨は、コンピューター詐欺やマネーロンダリングの罪で起訴されているイアニス・アレクサンドロヴィッチ・アントロペンコ容疑者が管理するウォレットから押収されたものです。
アントロペンコ容疑者は、ランサムウェアを使用して世界中の個人や企業を攻撃し、被害者のデータを暗号化・窃取した上で身代金を要求していました。ランサムウェアとは、ハッキングを行い、元の状態に戻すことを引き換えに金銭を要求するマルウェアの一種です。
押収された資産は、仮想通貨ミキシングサービス「ChipMixer」を利用してマネーロンダリングされていたとされ、同サービスは2023年に国際的な捜査により閉鎖されています。アントロペンコ容疑者は、仮想通貨を現金に交換し、その現金を構造化預金に預け入れることで資金洗浄を行っていたとされています。
また、ドナルド・トランプ大統領は、犯罪資金の押収で得たビットコインやその他の仮想通貨を売却せず、備蓄しておくという大統領令に署名しています。このため、今回押収された仮想通貨もこの備蓄に加わる可能性がありますが、被害者への返還分が差し引かれることも考えられます。
米司法省は、2020年以降、180人以上のサイバー犯罪者の有罪判決を勝ち取り、被害者に対して総額3億5,000万ドル以上の身代金返還を求める裁判所命令を獲得しています。現在、米国政府は約20万BTCを保有しており、その一部はハッキング被害を受けた取引所への返還が必要とされています。
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