世界有数のオンライン証券会社であるインタラクティブ・ブローカーズが、顧客向けにステーブルコインの発行を検討していることが、ロイター通信の取材で明らかになった。創業者のトーマス・ペテルフィ氏によると、この新サービスは証券口座への24時間365日の資金調達を可能にし、主要な仮想通貨の資産移転をサポートすることを目指している。
この動きは、米国における仮想通貨規制の緩和を背景に、大手金融機関が仮想通貨事業に参入する流れの一環である。インタラクティブ・ブローカーズは、現在ステーブルコイン発行企業のパクソスと提携し、仮想通貨取引サービスを提供しているほか、仮想通貨取引所ゼロハッシュにも投資している。
ペテルフィ氏は、仮想通貨の急速な普及に伴うリスクに対して慎重な姿勢を示しつつも、他の金融機関が発行するステーブルコインの利用も検討していると述べた。インタラクティブ・ブローカーズは、2021年末にビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨取引を開始し、今年3月にはソラナやカルダノ、リップル、ドージコインに取引対象を拡大した。
米国では、仮想通貨特化法案「ジーニアス法」が成立し、ステーブルコインがその対象となっている。最近では、ロビンフッドも「グローバル・ダラー・ネットワーク」を通じて米ドル連動のステーブルコインを発行しており、金融業界全体での仮想通貨への関心が高まっている。

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