EVO FUNDの正体とメタプラネットの急成長

2024年から2025年にかけて、メタプラネット社の株価が一時80倍に高騰した背景には、投資ファンド「EVO FUND」の存在があります。このファンドは、メタプラネットに巨額の資金を提供し、その成長を支えた影の主役です。

EVO FUNDとは？

EVO FUNDは、2002年にマイケル・L・ラーチ氏によって設立されたケイマン諸島籍の投資ファンドで、エボリューション・ファイナンシャル・グループの中核を成しています。グローバルに500人以上のスタッフを擁し、その半数以上が日本で活動していることから、日本市場に特化したプロフェッショナル集団であることが伺えます。

投資哲学と実績

EVO FUNDは、短期的な利益を追求する「ハゲタカファンド」とは異なり、企業の成長を資金面から支える「純粋な投資家」としての立場を貫いています。特に、日本の上場企業、特に中小型株への投資を専門としており、PIPES市場での圧倒的な実績を誇ります。これまでに63社へ投資し、提出した大量保有報告書は1,746件に上ります。

「BTCドーピング」とは？

EVO FUNDがメタプラネットに対して行った投資手法の一つが「MSワラント」です。この手法は、企業の株価が上昇することで新株予約権の行使価格が上方修正され、EVO FUNDが高い価格で権利を行使して新株を取得し、それを市場で売却することで資金を調達する仕組みです。このサイクルにより、ビットコイン（BTC）の購入資金を調達し、さらなる株価上昇を促す「BTCドーピング」と呼ばれる戦略が生まれました。

メタプラネットの成功事例

EVO FUNDの戦略が最も成功した事例がメタプラネットです。2024年から本格的に関与し、2025年2月には発行済株式の28.17%を保有する筆頭株主となりました。メタプラネットの株価は20円から1,600円へと高騰し、EVO FUNDは保有比率を段階的に引き下げながら利益を確定させています。この過程で、EVO FUNDは数十億円規模の投資に対し、数百億円規模のリターンを得たとされています。

競合との差別化

EVO FUNDは、KKRやベイン・キャピタルなどの大手ファンドとは異なり、経営権を求めず、上場したままの中小型企業に迅速に資金を供給することに特化しています。この独自のアプローチが、企業から選ばれ続ける理由となっています。

まとめ

EVO FUNDは、メタプラネットの急成長を支えた重要な存在であり、その投資手法や哲学は日本市場において独自の地位を築いています。彼らの戦略を理解することは、今後の投資判断においても重要な要素となるでしょう。