ヴィタリック・ブテリン氏は、ゼロ知識証明(ZK)技術におけるリアルタイム証明の達成を称賛しつつも、イーサリアムの基盤レイヤーであるレイヤー1への実用化には慎重な姿勢を示しました。この発言は、開発者ウマ・ロイ氏のチームによるリアルタイムでのイーサリアム証明成功の発表に応じたものです。この成果はかつて「ムーンショット」と見なされ、大きな注目を集めました。
実用化に向けた課題
ブテリン氏はこの進歩を評価しながらも、レイヤー1での実運用には複数の課題があると指摘しました。主な課題として、以下の点が挙げられます:
- 平均的な状況への対応: 現状のシステムが平均的な状況にしか対応できず、最悪ケースでの性能が未検証であること。
- 形式的検証の未了: システムの正しさを数学的に保証する形式的検証が未完了であること。
- 高いエネルギー消費: 約100キロワットという高いエネルギー消費(理想は約10キロワット)。
- 証明パフォーマンスの不足: イーサリアムのガスリミット大幅引き上げ計画に対応するための証明パフォーマンスが不足していること。
結論
ブテリン氏はロイ氏とそのチームの業績をZK分野における大きな節目と認めつつも、イーサリアムのコアインフラへこれらの先進技術を完全に統合するには、さらなる研究開発が必要であるとの認識を示しました。

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