コメの価格が高止まりしている影響で、国産米より安価な輸入米への注目が高まっています。農林水産省は政府備蓄米を市場に供給し、価格の抑制を試みていますが、輸入米の需要がすぐに落ち着くかどうかは不透明です。
総合商社「兼松」は、2025年に米国産「カルローズ」を1万トン輸入する予定で、外食産業からの引き合いが強いとみています。また、政府が管理する「ミニマムアクセス米」も輸入米人気の高まりを反映しており、2024年度には全量が落札され、過去最高の価格を記録しました。これまでミニマムアクセス米を販売してきた「スパイスハウス」は落札できなかったため、新たに独自の輸入に踏み切ることになりました。
相模原市の「スパイスハウス」の高梨孝志取締役は、ベトナム産米の問い合わせが増えていると述べています。同社では2024年からベトナム産ジャポニカ米の取り扱いを始め、業者向けも含めて200トンの販売を開始しました。現在、在庫は少なく、個人客や外食業界の需要が急増しているため、「1人1袋まで」と購入制限を設けています。店頭価格は5キロ3240円(税込)で、国産米の5キロ約4000円と比べると手頃です。ジャポニカ米は日本で一般的な短粒種で、ベトナム産でも見た目や味は国産米とほぼ変わらないとされています。
農水省の統計によると、2023年度の民間輸入米の量は368トンでしたが、2024年度には991トンと急増しました。民間輸入の場合、1キロあたり341円の関税がかかるものの、それでも国産のコシヒカリなどより安く流通しています。
兼松の担当者は、政府の備蓄米放出によって価格が安定すれば、輸入量を調整する可能性があると述べています。しかし、専門家の間では米価が大きく下がるとは考えにくいとの見方が一般的です。
過去の事例として、1993年の「平成の米騒動」では、政府がタイ米を大量輸入したものの、翌年の豊作で余剰となり、大量廃棄が問題になりました。今回の「令和の米騒動」では、コメの価格の高止まりが続く可能性が高く、輸入米の人気はしばらく衰えないと予測されています。

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