日本とマレーシア、二酸化炭素の地下貯留で協力

日本とマレーシアは、二酸化炭素（CO2）の地下貯留に関する新たな協力関係を築くことを発表しました。このプロジェクトでは、日本国内の火力発電所などから排出されるCO2を液体化し、専用船でマレーシア沖の天然ガス田跡に運び、封入する計画が進められています。事業は2030年にも開始される見込みです。

プロジェクトの背景と目的

この取り組みは、地球温暖化対策としてのCO2削減を目的としています。日本は、温室効果ガスの排出削減を目指しており、特に火力発電所からのCO2排出が大きな課題となっています。地下貯留技術は、排出されたCO2を地中に封入することで大気中への放出を防ぎ、環境への影響を軽減する手段として注目されています。

国際条約と二国間合意

国際条約に基づき、CO2を国外に輸送するためには二国間合意が必要です。このプロジェクトは、日本にとって初の海外でのCO2地下貯留事例となり、国際的な環境問題への取り組みを強化する重要なステップとなります。

参加企業とマレーシアの役割

この事業には、三井物産や関西電力などの日本企業が参加しており、マレーシアの国営石油会社ペトロナスと連携して進められています。マレーシア沖には複数の大規模ガス田が存在し、これらのガス田が枯渇した後の空洞を利用してCO2を貯留する計画です。このような地理的条件は、プロジェクトの成功に向けた大きな利点となります。