韓国の半導体大手SKハイニックスは2026年7月10日、米ナスダック市場にADR(米国預託証券)として新規上場した。上場初日から、ソラナ(Solana)ブロックチェーン上で同社株を裏付けとしたトークン化株式の取引が開始された。
ソラナ上でのトークン化株式取引
ソラナが同日公表したブログ記事によると、バックパックセキュリティーズ(Backpack Securities)、エックスストックス(XStocks)、オンド(Ondo)の3社を通じ、ソラナ上でのトークン化株式取引がスタートした。取引はソラナの分散型取引所(DEX)アグリゲーターであるサンライズ(Sunrise)を経由して行われ、3社が独自の商品設計で参加している。
各社が発行するトークンの詳細は以下の通り。
- バックパックセキュリティーズ:現物株と1対1で引き換え可能な有価証券トークン「SKHY」
- エックスストックス:規制保管機関保有株を担保とした24時間対応トークン「SKHYx」
- オンド:米国登録ブローカー保有株に裏付けられた総収益型トークン「SKHYon」
これらのトークンは、配当の自動反映やソラナのDeFi(分散型金融)との組み合わせ運用が可能で、ジュピター(Jupiter)などのソラナ上のDEXで売買できる。
ナスダック上場の詳細
SKハイニックスは1億7,790万ADRを発行し、公募価格を1ADR当たり149ドルに設定した。初日の終値は168ドルと、公募価格から約13%上昇して終了した。調達額は約265億ドル(約4.3兆円)に達し、外国企業による米国市場での新規株式公開(IPO)としては2014年のアリババ(250億ドル)を上回り史上最大規模となった。
需要は発行株数の7倍を超える応募が集まり、グローバル・ロングターム・ファンドを中心に旺盛な需要を示した。ナスダックでのティッカーシンボルは「SKHY」で、初日は一時的に「SKHYV」で取引された後、通常取引では「SKHY」に移行した。
HBM市場での独占的地位
投資家がSKハイニックスへの関心を高める背景には、同社のHBM(広帯域メモリ)市場での圧倒的な地位がある。同社は世界のHBM市場でシェア約59%を握り、エヌビディアへのHBM4供給量の約70%を確保した。2026年分の生産量はすでに全量売約済みとなっている。
SKハイニックスは今年6月にサムスン電子を時価総額で上回り、韓国最大の上場企業の地位にある。韓国証券取引所(KRX)での株価は過去1年で約680〜800%上昇しており、時価総額は1兆ドルに迫る勢いだ。
調達資金の使途
今回の株式発行で調達した約265億ドルは、韓国・竜仁市に建設中の「Y1」メガファブおよび次世代HBM4の生産ラインへの投資に充てられる方針だ。同社は2034年までに生産能力の3倍増を目指しており、EUV露光装置などの最先端半導体製造装置の購入にも充当される。
米国投資家への意義
今回のナスダック上場により、米国の個人・機関投資家が通常の証券口座を通じて初めて同社株に直接投資できるようになった。ADRは韓国株1株につき10ADSが発行される仕組みで、韓国株式市場の株価(約220万ウォン、1,540ドル相当)に対して、ADRの公募価格は149ドルと少ない金額から投資が可能となっている。
市場では、ナスダック上場により同業のマイクロン・テクノロジーと並ぶことで、バリュエーションの再評価が進むとの見方が出ている。
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