ニューヨークを拠点とするAI企業Sentientは、AGI（汎用AI）システムの構築とマネタイズを可能にするオープンソースネットワーク「The GRID」を発表しました。このプラットフォームは、OpenAIに代表されるクローズド・AIマーケットプレイスに代わる分散型の選択肢を提供することを目指しています。
「The GRID」では、開発者が自らのAIエージェント、モデル、ツールを提供・公開でき、他の開発者やユーザーに使用されることでトークンを報酬として受け取ることが可能です。公開時点で「The GRID」には、40以上のAIエージェント、50以上のデータソース、10以上のモデルが公開されており、ビジュアル生成AIのNapkinや検索スタートアップExaなどのツールが含まれています。また、Base、Polygon、Arbitrumなどのブロックチェーンに接続されたエージェントも存在します。
ユーザーは「Sentient Chat」を通じてアクセスでき、スケジュール調整、コード生成、データ可視化といったワークフローを構築するためにエージェントを組み合わせて利用することができます。Sentientの共同創業者ヒマンシュ・チャギ（Himanshu Tyagi）氏は、「The GRIDは世界最大のオープンソース・インテリジェンスの集合体であり、それをスケールさせる経済的手段でもある」と述べています。
このプラットフォームの特徴は相互運用性にあり、エージェントはメモリを共有し、リアルタイムで協調することができます。これは、複数の「アシスタント」システムが分断されがちなエンタープライズAIにおける課題の解決を狙ったものです。
Sentientによると、すでに200万人以上が待機リストに登録しており、ローンチ時点で数十のパートナーが参加しています。同社はこの取り組みをAGI開発の民主化と位置づけ、少数のテック大手にAGI開発の主導権を集中させるのではなく、コミュニティが技術に関するガバナンスを担い、その恩恵を享受できるようにすることを目指しています。
 |  |