リップルは、同社のブロックチェーンベースのクロスボーダー決済プラットフォーム「リップル・ペイメンツ(Ripple Payments)」を中東地域で拡大する中で、アラブ首長国連邦(UAE)の新たな顧客としてZand BankとMamoとの契約を締結したと発表しました。この契約は、リップルが3月にドバイ金融サービス局(DFSA)からライセンスを取得したことに続くもので、銀行やフィンテック企業、暗号資産企業向けにグローバルな決済をエンドツーエンドで管理する権限を得たことが背景にあります。
リップルの中東・アフリカ地域担当マネージングディレクター、リース・メリック(Reece Merrick)氏は、「DFSAのライセンスを取得したことで、リップルは伝統的な越境決済の非効率性に対するソリューションの需要に応えることが可能になる」と述べています。
Zand Bankは、この提携がデジタル金融への取り組みと一致しているとし、「UAEディルハム(AED)を裏付けとしたステーブルコインを近日中にリリースできることを楽しみにしている」と、財務・市場部門責任者のチラグ・サンパット(Chirag Sampat)氏がコメントしました。
一方、MamoのCEO兼共同創設者であるイマド・ガラゼッディン(Imad Gharazeddine)氏は、リップルのサービスを利用することで、UAEでの事業拡大を目指す企業と消費者双方に「より迅速で信頼性の高い越境決済」を提供できると述べています。
リップル・ペイメンツは現在、90を超える市場で決済事業を展開し、グローバルで700億ドル(約10兆1500億円)の取引を処理しています。プラットフォームはドバイ、アメリカ、ブラジル、メキシコ、オーストラリア、スイスで利用可能です。リップルは、グローバルな決済パートナーネットワークとブロックチェーンインフラを活用し、数分で資金を移動させることができるほか、ネイティブトークンであるエックス・アール・ピー(XRP)をブリッジ通貨として使用することで、オンデマンド流動性(ODL)サービスを通じて即時に法定通貨を変換する機能も提供しています。

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