ニューハンプシャー州のケリー・エイヨット知事は、2025年5月7日に同州が暗号資産(仮想通貨)や金などの貴金属に投資できるようにする法案に署名したことを発表しました。この法案は、米国の州の中で初めて正式にビットコインの戦略準備金を創設するための基盤を築くものです。
法案の内容
ニューハンプシャー州の新しい法律では、前年の時価総額の平均が5,000億ドル(約71兆円)を超えるデジタル資産や貴金属に対して、公的資金を使って投資することが許可されます。ただし、投資額は公的資金の合計の5%までに制限されています。現在、時価総額が5,000億ドルを超えているデジタル資産はビットコイン(BTC)のみであり、法案ではデジタル資産を原資産とする上場取引型金融商品(ETP)への投資も可能とされています。
ETPとは
ETP(Exchange Traded Products)は、規制当局の認可を受けた上で証券取引所で取引される金融商品のことを指します。これにより、投資家はビットコインなどのデジタル資産に間接的に投資することができます。
施行時期と影響
この法案は可決から60日後に施行されるため、早ければ2025年7月ごろからニューハンプシャー州がビットコインを購入し始める可能性があります。州の共和党の公式Xアカウントは、知事の署名を受けて「ニューハンプシャー州は米州で初めて、正式にビットコインの戦略準備金創設のための基盤を構築した」とコメントしました。
米国における仮想通貨の動向
米国では、トランプ政権下で仮想通貨に対する肯定的な姿勢が見られ、国家レベルでビットコインの準備金を創設する動きが進行中です。また、ニューハンプシャー州のように各州が仮想通貨の保有を審議しており、テキサス州などでも法案が進められています。しかし、最近ではフロリダ州がビットコイン準備金創設のための法案の審議を無期限で延期するなど、州ごとに状況は異なります。
このように、ニューハンプシャー州の法案は、米国における仮想通貨の法制化において重要な一歩となる可能性があります。今後の動向に注目が集まります。

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