農林水産省は4日、2025年上半期(1~6月)の農林水産物・食品の輸出額が8097億円となり、前年同期比で15.5%増加したと発表しました。この金額は、比較可能な2002年以降で過去最高を更新したものです。
米国向け輸出がトップ
輸出額の内訳では、農産物が5231億円、水産物が1994億円、林産物が371億円となり、農産物と林産物は過去最高を記録しました。特に、米国向けの輸出は22%増の1410億円で、過去最高を達成しました。トランプ政権による相互関税が4月に発動されたにもかかわらず、その影響は限定的だったとされています。
輸出増加の要因
農水省によると、訪日客の増加に伴う日本食の認知度向上や、日本食レストランの増加が輸出額を押し上げた要因と考えられています。品目別では、主要な31品目のうち21品目が前年比で増加し、特にホタテ貝は中国による日本産水産物の輸入停止に伴い、ベトナムやタイへの輸出先を変更したことで45.4%増の349億円となりました。
今後の見通し
年間を通じた輸出額は2024年に1兆5071億円と、12年連続で過去最高を記録する見込みです。農水省は2025年に2兆円、2030年に5兆円という目標を掲げていますが、現在のペースでは2025年目標の達成は難しい情勢です。
![]() | ![]() |