政府、短時間労働者の厚生年金加入拡大策を含む年金改革法案を閣議決定

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2025年5月16日、政府はパートタイムなどの短時間労働者の厚生年金加入拡大策を柱とする年金改革関連法案を閣議決定しました。この法案は、5月20日の衆議院本会議で審議に入る見通しです。政府・与党は今国会中の成立を目指していますが、野党は法案の修正を求めており、国会審議は難航することが予想されています。

法案の主な内容

関連法案では、短時間労働者の厚生年金加入のための要件を緩和します。具体的には、「106万円の壁」と呼ばれる年収要件を、法案公布から3年以内に撤廃することが決定されました。この要件は、月額賃金が8万8000円(年収換算で約106万円)以上であることを求めています。また、対象となる企業の従業員数についても、現在の「51人以上」という要件を2027年10月から段階的に緩和し、2035年10月には撤廃する予定です。

さらに、働く高齢者の増加に対応するため、在職老齢年金の見直しも行われます。現行制度では、給与と厚生年金の合計額が月51万円を超えると、超過分の半額の厚生年金が支給されない仕組みですが、2026年4月からは月62万円までは満額で受け取れるようになります。

高所得者への影響

高所得者が支払う厚生年金の保険料については、2027年9月から保険料算定の基準額を段階的に引き上げることが決まりました。年収が798万円以上の会社員が対象で、現在の月5万9475円から最大で約9000円の増額が見込まれています。この保険料の増額に伴い、将来の受給額も増加することになります。

今後の展望

関連法案を巡っては、政府が当初、将来の国民年金(基礎年金)の底上げ策を盛り込もうとしましたが、厚生年金の受給額が一時的に減少することから自民党内で反発があり、見送られました。これに対し、野党は底上げ策の復活を要求しています。与党は衆議院で過半数に達しておらず、法案の通過には野党の賛成が不可欠です。残り約1か月の今国会中に、与野党が修正で折り合うかどうかは不透明な状況です。

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