暗号資産(仮想通貨)ハイパーリキッド(HYPE)の現物ETFである21Shares Hyperliquid ETF(ティッカー:THYP)への需要が急速に拡大している。ブルームバーグのETFアナリスト、エリック・バルチュナス氏のデータによると、初日の米国時間5月12日の取引高は約180万ドル(約2.8億円)だったが、5月19日には約1,400万ドル(約22億円)まで増加し、初日比で約8倍に達した。バルチュナス氏はこれを「自然発生的な投資家需要を示す良い兆候だ」と評価している。
他の暗号資産ETFとの比較分析
仮想通貨アナリストのAletheiaは、THYPおよび5月15日に上場したビットワイズの「Bitwise Hyperliquid ETF:BHYP」の資金フローを、他の暗号資産現物ETFと時価総額調整後の流入額で比較分析した。
その結果、上場後6日間のうち:
- 3日間はビットコインETFより強い流入
- 5日間はイーサリアムETFより強い流入
- ソラナETFとの比較では、6日中4日はソラナの方が強い流入
特に、取引開始から6日目(19日)には、ハイパーリキッドETFへの時価総額調整後の資金流入が他の仮想通貨ETFを大きく上回ったことが注目されている。
アシスタンスファンドとの比較
Aletheia氏は、ハイパーリキッドの現物ETFとハイパーリキッドの「アシスタンスファンド」の関係についても分析した。アシスタンスファンドは、プラットフォーム取引手数料の大部分を自動的にネイティブトークン「HYPE」の買い戻しに充てる仕組みであり、取引活動がトークン価値に直結する仕組みを実現している。
最初の6営業日で、ETFはアシスタンスファンドが購入・焼却(バーン)したHYPEトークンの2.5倍の量を購入していた。Aletheia氏は、現物ETFは買い圧力という面で市場を活性化させるとの見解を示している。
運用資産総額の現状
The Blockによると、5月20日時点の運用資産総額は:
- THYP(21Shares):約850万ドル(約13.5億円)
- BHYP(Bitwise):約100万ドル(約1.6億円)
また、21Sharesのグローバルリサーチ責任者エリ・ンディンガ氏は、発売から数日以内に500万ドルを超える流入を記録したと述べている。
ハイパーリキッドETFの特徴
THYPは、HYPEのステーキングによる利回り獲得も可能で、ステーキング報酬の70%がファンドに分配される。手数料は0.3%で、カストディはアンカレッジ・デジタルバンクとビットゴー・バンク&トラストが行う。比較対象として、BitwiseのBHYPの手数料は0.67%と、THYPの2倍以上の水準に設定されている。
競合状況
ハイパーリキッドETF市場は競争が加速している。現在、以下のETFが市場に存在するか申請中である:
- 21Shares「THYP」:5月12日上場済み、手数料0.3%
- Bitwise「BHYP」:5月15日上場済み、手数料0.67%
- Grayscale「GHYP」:承認待ち(ステーキング機能追加条項を盛り込んだ修正申請を5月11日に提出)
ハイパーリキッドの成長と将来性
ハイパーリキッドは分散型デリバティブ市場における主要インフラとして急速に成長している。2025年の年間取引高は前年比400%増の2兆9,000億ドルに達した。現在、同プラットフォームの1日あたりの取引高は約80億ドルで、永久先物市場の50%以上を占めている。
ンディンガ氏は、ハイパーリキッドの魅力はトレーダーが暗号資産だけでなく、石油、銀、金などの伝統的市場にも24時間アクセスできる点にあると述べている。これは、イランを巡る地政学的緊張時に伝統的市場が閉まった後でも投資家がハイパーリキッドを利用した取引活動を行った事例にも表れている。
今後の注目点
上場から日が浅いため、今後の流入状況を注視する必要があるものの、ハイパーリキッド現物ETFは好調なスタートを切ったと言える。HYPEの価格も6日間で約24%上昇しており、ETFの需要とトークン価格の好循環が生まれつつある状況だ。

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