暗号資産XRPの基盤であるブロックチェーン「XRPレジャー(XRPL)」に、ネイティブのステーキング機能を導入する可能性が浮上している。RippleXでエンジニアリング部門トップを務めるJ・アヨ・アキンイェレ氏は19日、ステーキングの導入について「構想段階での考察を行っている」と説明した。
ステーキングは、保有する暗号資産をネットワークに預け入れ、運用に貢献することで報酬を獲得できる仕組み。一般的にはプルーフ・オブ・ステーク(PoS)を採用するチェーンで使われるが、XRPLにはこれまでネイティブ実装されていなかった。報酬インセンティブが生まれることから、開発者だけでなく投資家にとっても重要な動きとして注目されている。
アキンイェレ氏は、XRPの役割が近年大きく拡大している点を強調した。XRPLは当初、決済ネットワークとして利用されてきたが、現在ではトークン化資産の決済やリアルタイムの流動性供給など多様な用途に活用が広がっている。また、XRPを扱う金融企業の誕生や、米国で現物ETFがローンチされたことにより、機関投資家からの関心も高まりつつあるという。
その中で「XRPの実用性をさらに高める仕組みとしてステーキングは自然な発想だった」と述べ、導入の可能性を探る考えを示した。実装にあたっては、報酬の供給源と公平な分配方法が重要な課題になるとしている。
今回の考察について、リップル社CEOのブラッド・ガーリングハウス氏も反応し、「新たなDeFiプロトコルやアプリが増える中で、ネットワークのためにどのような可能性を議論すべきかを考える時期だ」とコメント。XRPLの未来に向けた議論を歓迎する姿勢を示した。
さらに、リップル社CTOのデイビッド・シュワルツ氏も19日にXへ投稿し、ステーキング導入の技術案として「内層にインセンティブを持つ2層型コンセンサスモデルへの移行」と「現行コンセンサスを維持しつつ、ゼロ知識証明のコストを取引手数料で賄う方式」という2つのアイデアを紹介。しかし「技術的には優れているが、現段階では現実的な実装には至らない」と慎重な見解も示した。
アキンイェレ氏は現在、シュワルツ氏とともにステーキング導入の影響や具体的な仕組みを検討しており、広くコミュニティにも意見を求めている段階だ。
現時点では導入が決定しているわけではないものの、XRPの機能拡張として注目度は高まっている。

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