暗号資産(仮想通貨)運用企業Bitwiseのアナリスト、ダニー・ネルソン氏は、トークン化されたポケモンカードのブームが長続きすると予想しています。彼は、仮想通貨特有のイノベーションが、これまで意識されていなかったサービスへの世界的な需要を生み出すと述べています。
Collector Cryptの急成長
特に注目されるのは、トレーディングカードのトークン化プラットフォームであるCollector Cryptです。このプラットフォームは、ソラナ基盤で8月末に独自のユーティリティトークンCARDSをローンチし、わずか1週間でその価格が10倍に上昇しました。ネルソン氏は、この熱狂の背景には、収益の一部がトークンの買い戻しに還元されるという期待があると指摘しています。
ガチャシステムの人気
Collector Cryptの「ガチャ」への需要も急増しており、先週だけで1,660万ドル(約24億円)に達しました。この「ガチャ」は、日本のカプセルトイ(ガチャポン)に似た仕組みで、プレイヤーがランダムにアイテムを引くことができます。さらに、プレイヤーが引いたカードを80~85%の価格で即時に買い戻すシステムもあり、これが取引を促進しています。
NFTとトークン化の利点
Collector Cryptは、物理的な公式トレーディングカードを裏付けとしたNFT(非代替性トークン)を取引する二次市場を提供しています。ネルソン氏は、現実資産(RWA)のトークン化が進んでいるものの、ポケモンカードの物理的市場では売り手がカードを発送する手間がかかるため、トークン化によってこの手間を省くことができると述べています。
プラットフォームの仕組みと今後の展望
Collector Cryptは、卸売業者やeBayなどから市場価格の85~90%でカードを買い取り、プラットフォーム上では市場価格の100%で販売しています。この差額や手数料がプラットフォームの資金となり、さらなるカードの買い入れやトークンの買い戻しに使われます。将来的には、バーン(焼却)や特典付与、DeFi(分散型金融)との連携も視野に入れています。
競合状況
トークン化TCG市場最大手のCourtyardはまだガバナンストークンをリリースしていませんが、8月にはポケモンカードNFTが月間売上高で7,800万ドル(114億円)を記録しました。Collector Cryptはその半分以上となる4,400万ドルを記録し、急成長を遂げています。

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