UPBOND、アパホテル宿泊者向け観光予約にJPYC決済を検討

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株式会社UPBONDは19日、観光コンテンツの販売・集客支援を手がけるJapanTicketと連携し、アパホテルの宿泊者向けに観光体験や飲食店予約を案内するテスト運用を2026年6月から開始したと発表した。同社は訪日旅行者向けのAIエージェントを軸に、円建ての電子決済手段型ステーブルコイン「JPYC」を使った決済の実装も検討しており、会話ベースの提案から予約、支払いまでを一つの導線で完結させる構想を掲げている。

テスト運用の内容と検証項目

今回の取り組みでは、UPBOND、アパホテル、JapanTicketの3社が連携し、宿泊予約から滞在中までをつなぐ新たな送客モデルの構築を目指す。アパホテルは旅行者との接点となる宿泊体験を提供し、UPBONDは宿泊者向けサービスを、JapanTicketは観光体験や飲食店予約などのコンテンツを提供する。

案内されるコンテンツは以下の通り。

  • 飲食店予約:寿司店や和食店、居酒屋など、旅行者から人気の高い飲食店の予約
  • 日本文化体験:相撲部屋の朝稽古見学や箸づくり体験、伝統工芸体験、ガイド付きまち歩きなど
  • 観光クーポン:百貨店や商業施設、観光施設などで利用できるクーポン

テスト運用では、ホテル宿泊者による予約の利用状況、コンテンツ提案への反応、旅行者の満足度向上への効果、観光施設や飲食店への送客効果、宿泊施設と観光事業者の連携モデルとしての有効性などを検証する。

JPYC決済で訪日客の決済負担軽減へ

UPBONDは訪日旅行者を中心に約100万人のウォレットユーザーを抱えており、JPYC株式会社との連携も進めている。訪日客が日本で決済する際には為替手数料や決済エラーなどが負担となる場合があり、同社は円建てのJPYCを活用することでこうした決済上の摩擦を減らし、AIによる提案・予約から支払いまでをシームレスにつなげることを目指している。

UPBONDの水岡駿代表取締役は「訪日外国人の旅は、ホテルにチェックインして終わるのではなく、そこから始まります」とコメントし、今後はSNS上でのステーブルコイン決済までを一気通貫で実現し、旅行者が言語や支払いの壁を意識することなく日本各地の体験を楽しめる仕組みを構築していく方針を示した。

ただし、今回発表されたテスト運用ではJapanTicketの観光・飲食コンテンツとの連携が中心となっており、アパホテル宿泊者向けサービスにおけるJPYC決済の具体的な開始時期や対象範囲は明らかにされていない。

JPYCを巡る基盤整備の進展

JPYCを巡っては基盤づくりが今年に入って急速に進んでいる。発行元のJPYC社は8月にシリーズBで累計60億円の資金調達を完了し、オンチェーン流通額は20億円を突破した。決済の実証も相次いでおり、8月6日にはローソン店頭でKDDI・HashPortと組んだJPYC決済の検証が行われたほか、POSレジで完結する国内初の実証でもJPYCが対象銘柄に含まれている。生活サービスとの接点でもLINE上での利用やダイナースクラブのポイント交換など日常に入り込む動きが続いている。

こうした中、UPBONDが構想する訪日旅行者向けの利用モデルは、ホテル宿泊者という明確な利用者層を起点とする点が特徴だ。AIが旅行者との会話から体験を提案し、そのまま予約、さらに決済まで進める仕組みが実現すれば、JPYCにとって観光分野における継続的な実需を生み出す事例となる可能性がある。

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