暗号資産（仮想通貨）カルダノ（ADA）のコア開発チーム「Input Output Global」は、ネットワークアップグレード推進のため資金として9,600万ADA（時価106億円相当）を取得しました。この決定は、コミュニティ投票によって承認され、賛成200票、反対6票、棄権7票という結果となりました。承認率は約74%であり、カルダノのコア開発資金がコミュニティから直接的に承認された初めての例となります。
開発チームは、今回の投票によりコミュニティが一連の技術的アップグレードだけでなく、透明性、説明責任、推進力に根ざしたカルダノの未来に向けた共通のビジョンを承認したと説明しています。このロードマップは、コミュニティの優先事項に沿って策定され、今年初めに承認されたもので、カルダノ史上で最も野心的な開発フェーズの一つを提示しています。
提案は最終的に可決されたものの、複数のコミュニティメンバーからは批判の声も上がっていました。資金の規模が大きいことや、リソースの配分方法に関する透明性の欠如が懸念されていたためです。また、提案をより小さなセクションに分割し、個別に投票する方が適切ではないかとの意見もありました。
今後のアップグレード内容
今回認められた予算により、スケーラビリティ（規模拡張性）、開発者エクスペリエンス、相互運用性における大きなアップグレードが行われる予定です。主な項目は以下の通りです。
- ウロボロス・レイオス：セキュリティや分散性を犠牲にすることなく、より高いスループットを実現する基盤パフォーマンスアップグレード。
- ハイドラ：超高速で低コストのトランザクションを実現するプロトコル。マイクロトランザクションやリアルタイムのユースケースに最適化されています。
- Mithrilの機能強化：ブートストラップ時間の短縮と軽量クライアントサポート。
- 階層化トランザクション：より高度なスマートコントラクトとシームレスな相互運用性のための技術基盤。
- プロジェクト・アクロポリス：ノードのモジュール型アーキテクチャの再構築。柔軟性を向上させ新規コア開発者のオンボーディングを容易にします。
- パフォーマンス最適化：同期時間の高速化、RAM使用量の削減、ステークプールオペレーターの運用コスト削減を実現します。
資金の付与は段階的に、マイルストーンベースで行われ、カルダノのメンバーによる組織「Intersect」が独立した管理者となります。また、資金の支払いは、ある項目の完了が確認された場合にのみ行われ、スマートコントラクトと専門委員会が監視します。開発チームは、月次アップデート、エンジニアリングタイムシート、四半期ごとの予算内訳をコミュニティに向けて公開する予定です。
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