ワールド財団(旧ワールドコイン財団)は24日、AIエージェントの台頭に伴う人間ID基盤拡大に向け、初期クローズで5,250万ドル(約86億円)を調達したと発表した。
ワールドIDは、専用機器「オーブ」を用いた一回限りの生体認証により、個人情報を明かさずに人間であることを証明できる技術基盤である。暗号化技術と分散型の秘匿計算を組み合わせ、なりすましやボットと人間を区別する仕組みとして開発された。
資金調達はパンテラ・キャピタルが主導し、ベインキャピタル・クリプト、エイトコ・ホールディングス、セリニ・キャピタル、サスケハナ・クリプトなどが参加した。調達したWLDトークンには12カ月のロックアップが設定されている。
AIエージェントの急速な普及により、広告閲覧やマッチングアプリ、投票、動画通話など、人間による行為であることの証明が困難になりつつあるという背景がある。こうした課題を受け、「プルーフ・オブ・ヒューマン(人間であることの証明)」と呼ばれる技術の需要が高まっているとワールド財団は説明した。ワールドIDは今年に入り、ズーム、ドキュサイン、オクタ、ヴァーセル、ティンダーなど主要なコミュニケーション・認証プラットフォームへの統合を進めている。
7月24日はワールドが本格運用を開始してから3年の節目にあたる。ワールドネットワークにはこれまでに3,900万人以上が参加し、うち1,800万人以上がオーブでの認証を完了した。ワールドIDの証明利用は延べ4億7,500万件を超えた。
同時に、企業向けの大規模統合に対応する「ワールドID 4.0」も公開された。独立した開発者が新たな証明資格をゼロ知識証明の仕組み内で開発できるようになり、活用範囲が広がる見通しだ。
ワールド財団は、個人ではなくアプリケーションからのプロトコル手数料徴収を通じて、ネットワークの運営を経済的に自立させる取り組みを進めている。
仮想通貨分野の米ベンチャーキャピタルがAI関連への投資を広げる動きは他社でも見られる。フレームワーク・ベンチャーズは6月にブロックチェーンとAI、ロボット、エネルギー分野を投資対象とする4号ファンドで4億ドルを調達したと発表した。

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