中央アジアのキルギス共和国において、サディル・ジャパロフ大統領は17日、デジタル・ソム(キルギスの通貨)に法的地位を与える法案に署名しました。この動きは、同国が独自の中央銀行デジタル通貨(CBDC)を発行するための重要なステップとなります。
デジタル・ソムの法的基盤
キルギスはCBDCの発行について依然として検討を続けていますが、憲法法の改正により、中央銀行がCBDCを発行する際にはデジタル・ソムが法定通貨として扱われることが確実になりました。大統領の公式ウェブサイトに掲載された声明によれば、「憲法法の目的は、国家デジタル通貨『デジタル・ソム』のプロトタイプの試験的プロジェクトを開始し、その法的基盤と地位を創設することだ」とされています。
新たに制定された規定により、キルギス共和国国立銀行(National Bank of the Kyrgyz Republic)は、デジタル・ソムのプラットフォーム上での決済規則を策定・承認する権限を持つことになります。この改正は、3月20日に同国の最高会議で採択されたもので、今後のCBDC発行に向けた重要な基盤となります。
デジタル・ソムのテストと今後の展望
現地メディアのトレンド・ニュース・エージェンシー(Trend News Agency)によると、キルギスは2025年中にデジタル・ソムのテストを開始する予定です。最終的なCBDC発行の可否については、2026年までに決定される見通しです。
国際的なCBDCの動向
CBDCの構想は、一部の暗号資産(仮想通貨)支持者の間で物議を醸していますが、イギリス、ナイジェリア、ジャマイカ、バハマなどの国々や欧州連合(EU)はCBDCの発行に向けて進展を見せています。一方で、アメリカなどの国々はCBDC発行構想から事実上撤退している状況です。
結論
キルギスのデジタル・ソムに法的地位を与える動きは、同国の金融システムにおけるデジタル化の進展を示すものであり、今後のCBDC発行に向けた重要な一歩となります。国際的なCBDCの動向を踏まえつつ、キルギスがどのようにこのプロジェクトを進めていくのか、注目が集まります。

![]() |